革と暮らす ―革素材について―


Acru で使っているレザーは植物性タンニンなめしのものを主に使用しています。
なめしとは、動物の皮を製品にする為に施す加工ですが、
この加工によって『皮』から『革』へと変化します。
このなめしには大きく分けて『植物性タンニンなめし』と『クロムなめし』、
2つの加工方法があります。

1. 植物性タンニンなめし

植物性タンニンなめしはその名前の通り植物からとれる成分のタンニン(渋)を使って皮を加工する方法で、
なめしに要する工程や手間がとてもかかります。
しかしその分革の繊維が密で安定しており、張りがあり丈夫な革に仕上がります。
また、工程が複雑な分、気候や温度などいろいろな条件によって一枚の革の中にも
色ムラやシワ等の表情の違いが起こりますが、
Acru ではそこも植物性タンニンなめしの大きな魅力ととらえています。
Acru の製品にもお作りする時期によって、そうしたタンニンなめし独特の色の違いが生じています。
しかし、長く使っていくとその良さのとりこになってしまいます。
タンニンなめしのレザーは使い込む事でタンニンの成分が変化し、革が柔らかくなり、
とても味わい深い色へと変化していきます。
着色をしないナチュラルなレザーを長年使うと、本当に味わい深い透明感のある飴色になります。
使う人や環境によってその変化も様々ですので、長い間じっくりと育てて頂ければ世界に一つしかない
自分色の革に変化します。
化学物質を使わないので、環境や人に大変優しいのも魅力です。
Acru ではタンニンなめしの、使い手が育てていくような愛着のある魅力を大きく取り入れています。

2. クロムなめし

クロムなめしは化学薬品を使って加工する方法で、現在多くの革製品に使われており、熱に強いことや、
水などで濡れてもシミになりにくいといった特徴をもっています。
その特徴を活かし、一部製品の裏側に防水加工を施すためクロムなめしのレザーも使用しております。
防水加工を施したレザーは防水機能を革の内部にも浸透させておりますので安心して使用して頂けます。



牛革
主にカウハイドのレザーを使用しています。カウハイドとは生後2年を経過したメスの牛ですが、しっかりとしていながらも、成長したオスの牛革に比べ適度なしなやかさも持っています。Acruで使用しているカウハイドレザーはシボと呼ばれるシワがあり自然な風合いと柔らかさを持ったものを使用しています。
また、着色の薄いものはお使い頂くとエイジングによりきれいな飴色に変化していきます。
馬革
主にプルアップホースレザーを使用しています。
プルアップホースレザーとはオイルをたっぷり含んだタンニンなめしの馬革で、曲げたり力を加えたりするとその部分のオイルが移動し、色やシワが変化します。艶感もあり独特のシワ感やムラ感が自然な革の風合いとなっています。 
とてもしなやかで柔らかく軽いのが特徴です。
使っていくとシワ感や艶感が変化していきます。
コードバン
馬のお尻の一部分のレザーで、『革のダイヤモンド』とも呼ばれています。
大変密な繊維構造を持ち、表面の摩擦によってとっても深い艶感が出続けます。
Acruで使用しているコードバンは厳選されたヨーロッパの馬革で特に手間暇を掛けて加工されており、約10カ月という長い時間をかけて仕上げられたこだわり抜かれた馬革です。
ラクダ革
ラクダのめずらしい希少な革です。しっかりと繊維が詰まっていて、柔らかく、耐久性にも優れています。
使い込んで頂くと色味や味わいが豊かに変化していきます。
豚革
大変柔らかく肌ざわりが滑らかなレザーです。
革の表面を加工したもの、裏側を加工したものを用途と特徴によって使い分けをしています。


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